巻き爪テーピングのやり方|貼り方の手順と続けるコツ
爪の食い込みによる当たりをやわらげる方法として、テーピングは自宅で取り入れやすいセルフケアの代表格です。ただ、貼り方にちょっとしたコツがあり、自己流ではうまく固定できない、すぐはがれてしまうというお声もよく伺います。
この記事では、基本のらせん巻きの手順から、もうひとつの貼り方、テープの選び方、続けるコツまで、サロンでお客様にお伝えしている内容をベースに詳しくご紹介します。
- テーピングは皮膚を引き下げて爪との間にすき間をつくるケアです
- らせん巻きが基本、状況に応じて引き下げ貼りも使えます
- 強く引きすぎないことと肌を休ませることが継続のコツです
テーピングで期待できること・その仕組み
テーピングは、爪の脇の皮膚をテープでやさしく引き下げることで、爪と皮膚の間にわずかなすき間をつくり、当たりや圧迫感をやわらげることを目的としたケアです。
爪のカーブそのものを矯正するものではありませんが、歩行時の痛みのような不快感を軽くする助けになるといわれており、矯正ケアと並行して行う補助的なケアとしても取り入れられています。
テープの選び方
- 素材:伸縮性のあるテーピングテープが基本です。伸びないテープは皮膚を引き下げる力をかけにくく、蒸れやすい傾向があります。
- 幅:25ミリ幅を縦半分にカットするか、12ミリ前後の細幅タイプが指には扱いやすいサイズです。
- 肌へのやさしさ:毎日貼り替えるなら、低刺激・医療用と表示されたものが安心です。
- 入手先:ドラッグストア、スポーツ用品店、100円ショップでも手に入ります。
基本の貼り方(らせん巻き)
- テープを10センチほどにカットします。
- 爪の食い込みが気になる側の、爪のきわのすぐ下の皮膚にテープの端を貼ります。
- 皮膚を爪から遠ざける方向へ軽く引きながら、指の腹側を斜めに通って、らせん状に巻き上げます。
- 終点は指の甲側か側面で留め、一周ぐるりと強く締め付けないようにします。
- 貼り終えたら指先の色を確認し、白っぽくなったり紫っぽくなったりしていないかチェックします。
ポイントは、テープを引く方向です。ただ巻きつけるのではなく、爪の脇の皮膚を下へ引き下げる意識で貼ると、爪と皮膚の間に余裕が生まれやすくなります。

もうひとつの方法:引き下げ貼り
らせん巻きが難しい方には、より簡単な方法もあります。5センチほどの短いテープを使い、爪の脇の皮膚に貼って、そのまま指の腹側へ引き下げて留めるだけの貼り方です。固定力はらせん巻きに劣りますが、日中の短時間ケアや、テーピングに慣れるまでの練習として取り入れやすい方法です。
貼るタイミングと交換の頻度
サロンでは、朝起きて靴下を履く前に貼り、お風呂に入るタイミングではがすという使い方をおすすめしています。日中は靴下や靴を履いて過ごす時間が長く、体重がかかることで指のお肉が爪側に寄り、当たりや圧を感じやすくなるためです。活動している時間帯に合わせて貼ることで、テーピングの効果を実感しやすくなると考えています。肌が乾いた清潔な状態で、汗や水分をよく拭き取ってから貼ってください。
一方で、テーピングは肌がかぶれやすい方も少なくありません。毎日貼り続けるのが難しいと感じる場合は無理をせず、長時間歩く日や立ち仕事の日など、よく歩くタイミングに絞って貼るという使い方でも十分です。生活に合わせて無理のない頻度で続けることが、結果的にいちばんのコツになります。
やってはいけない貼り方・注意点
- 指をぐるっと一周きつく巻く:血行を妨げるおそれがあります。指先の色が変わったらすぐにはがしてください。
- 傷や炎症の上に直接貼る:じゅくじゅくした部分や出血がある部分への貼付は避けてください。
- 引っぱりすぎ:強く引くほど効果が出るわけではありません。少しテンションがかかる程度で十分です。
- 貼りっぱなし:同じテープを何日も貼り続けると、蒸れやかぶれの原因になります。
効果を感じにくいときのチェックポイント
数週間続けても変化を感じない場合は、次の点を確認してみてください。テープを引く方向が皮膚を下げる向きになっているか、テープが緩みすぎていないか、爪の巻きがそもそもテーピングでカバーできる範囲を超えていないか、という3点です。
特に爪のカーブが強い場合、テーピングだけでは物理的に追いつかないことがあります。外した途端に強い当たりが戻るようであれば、爪の形に働きかける矯正ケアを検討するタイミングかもしれません。
貼り方を見直しても痛みが変わらない場合、テーピングで支えられる範囲を超えていることがあります。爪のカーブに直接働きかける方法は巻き爪矯正の仕組みにまとめています。
テーピングと併用したい毎日のケア
テーピングの効果を支えるのは、日々の基本ケアです。爪はラウンドスクエアカットを意識して角を残して切る、お風呂上がりに爪まわりを保湿する、つま先に余裕のある靴を選ぶ。この3つとテーピングを組み合わせることで、指先への負担を多方面から減らしていくことができます。
シーン別・テーピングの使い分け
毎日同じように貼る必要はありません。生活のシーンに合わせて使い分けると、無理なく続けられます。長時間歩く日や立ち仕事の日はらせん巻きでしっかり固定、在宅で過ごす日はテープを休んで肌をいたわる、運動をする日は汗ではがれやすいため、貼ったあとに上から通気性のよいテーピングを軽く重ねる、といった調整です。
雨の日や夏場は蒸れやすいので、帰宅後は早めにはがして足を洗い、しっかり乾かしてから貼り直すと肌トラブルを防ぎやすくなります。
三日坊主にしない工夫
テーピングは続けてこそのケアですが、毎日のこととなると忘れがちです。カットしたテープを数日分まとめて作り置きし、洗面所の目につく場所に置いておく、歯みがきや入浴とセットの習慣にする、スマートフォンのリマインダーに登録する、といった小さな工夫で継続のハードルはぐっと下がります。
爪の状態別・テーピングとの相性
爪のカーブがゆるやかな段階であれば、テーピングだけでも日常の不快感をかなり抑えられることが多いようです。カーブが進んで爪の端が皮膚に隠れかけている場合は、テーピングは補助と割り切り、矯正ケアとの併用を検討する価値があります。爪が強く巻き込み、常に痛みがあるような状態では、テーピング単独での対応は難しいことが多いため、早めに専門家へご相談いただくことをおすすめします。
爪切り・保湿とテーピングの組み合わせ方
順番としては、まず入浴で爪と肌をやわらかくし、必要があれば爪をラウンドスクエアカットに整え、保湿してからテーピング、という流れが理想的です。保湿剤を塗った直後はテープが付きにくいため、クリームがなじんでから貼るか、テープを貼る部分だけ避けて塗るのがコツです。
また、テープをはがすときは、皮膚を押さえながらゆっくりと。勢いよくはがすと皮膚に負担がかかり、翌日から貼れなくなってしまうこともあります。
ご家族に貼ってあげるときのポイント
ご高齢の親御さんなど、ご自身で貼るのが難しい方に貼ってあげる場合は、貼る前に必ず指先の色と皮膚の状態を確認してください。皮膚が薄くなっている方は、粘着力の強いテープでかぶれやすいため、低刺激タイプを短時間から試すのが安心です。貼ったあとはきつくないか、しびれた感じがないかを言葉で確認し、少しでも違和感があれば緩めに貼り直してください。
テーピングでつまずきやすいポイント|サロンで伺った声から
テーピングは手軽な反面、続かない理由もさまざまです。サロンで貼り方の説明を受けて自宅で試したものの、テープで肌がかぶれてしまい断念した方。テーピングは一日中つけておくものだと思い込み、肌を休ませる発想がなかったという方。すぐ剥がれてしまうのであまりできていない、夏はサンダルを履くから見た目が気になってできない、という声もよく伺います。
こうしたつまずきには、それぞれ対処のしようがあります。かぶれやすい方は低刺激テープへの変更と使用時間の短縮を。剥がれやすい方は、貼る前に皮脂や水分をしっかり拭き取るだけで持ちが変わることがあります。サンダルの季節は、肌色に近いテープを選んだり、外出時以外の時間帯だけ貼る運用に切り替えたりする方法もあります。完璧を目指すより、ご自身の生活で続けられる形を見つけることが何より大切です。貼り方や続け方に迷ったら、遠慮なくご相談ください。
なお、テーピングは本来、一日中貼りっぱなしにする必要はありません。靴を履いて活動する時間帯を中心に使い、就寝時は外して肌を休ませる。このメリハリが、肌トラブルなく続けるコツです。
よくあるご質問
テーピングだけで巻き爪は良くなりますか
テーピングは当たりや食い込み感をやわらげる対症的なケアで、爪のカーブ自体を整えるものではないといわれています。不快感の緩和には役立ちますが、形を変えたい場合は矯正ケアの検討をおすすめします。
寝るときも貼ったままでよいですか
就寝中は靴の圧迫がないため、基本的には外して肌を休ませることをおすすめしています。日中の活動時間帯を中心に使うほうが、肌トラブルを防ぎやすくなります。
テープでかぶれてしまったらどうすればよいですか
いったん使用を中止し、肌が落ち着くまで休ませてください。再開する場合は低刺激タイプに替える、貼る時間を短くするなどの工夫を。かぶれを繰り返す場合は無理に続けないほうが安心です。
どんなテープを選べばよいですか
伸縮性のあるテーピングテープで、幅12ミリ前後が扱いやすいサイズです。毎日使うなら医療用の低刺激タイプをおすすめします。
テーピングは何歳から使えますか
お子さまにも使える方法ですが、皮膚が薄くかぶれやすいため、短時間から試して様子を見てください。うまく貼れない場合は、専門家に貼り方を見てもらうと安心です。
まとめ|正しい貼り方で毎日のケアを味方に
テーピングは、道具さえあれば今日から始められる手軽なケアです。皮膚を引き下げる方向を意識して、締め付けすぎず、肌を休ませながら続けてみてください。
私たち巻き爪メディカルサロンFでは、お客様の爪の状態に合わせたテーピングのコツを実際にお見せしながらお伝えしています。やり方に不安がある方、続けても変化を感じない方は、お気軽にご相談ください。
記事監修者
ふじもと皮フ科クリニック 院長 / 巻き爪メディカルサロンF 医療監修
藤本 栄大(ふじもと えいた)
医学博士
防衛医科大学校卒業後、自衛隊病院・防衛医科大学校附属病院での勤務を経て日本皮膚科学会皮膚科専門医を取得。同大学院在籍中に米国UC Davis(皮膚科学教室)へ留学し医学博士を取得。海上幕僚監部衛生企画室勤務、南極観測船「しらせ」医務長(第54次)、Pacific Partnership参加等を経て、2015年にふじもと皮フ科クリニックを開院。日本フットケア・足病医学会会員として足・爪疾患の診療と研究を継続。
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